
セルビアのEU加盟支持率が45%に上昇、若年層が牽引も偽情報への懸念残る
2月5日、駐セルビアEU代表部は、セルビアにおけるEU加盟に関する最新の定期世論調査結果を公表した。これによると、明日にも加盟の是非を問う国民投票が実施された場合、45%の市民が賛成に投票すると回答し、前年比で2ポイントの上昇を記録した。一方で、反対と回答した割合は32%に留まり、前年同様の安定した水準を維持している。
EU代表部プレスリリースによれば、今回の調査は、ベオグラードを拠点とする市場・世論調査機関ニナメディア(Ninamedia)が2025年12月24日から2026年1月11日にかけて、1,501人の回答者を対象に対面形式で実施したものである。調査結果から、世代間での意識の差が依然として顕著であることが浮き彫りとなった。特に18歳から29歳の若年層では63%以上が加盟を支持しているのに対し、60歳以上の層では加盟支持は約30%に留まり、反対意見が最も強い結果となった。
セルビア市民がEU加盟の利点として最も多く挙げたのは、生活水準の向上、移動の自由、法の支配、および汚職対策であった。また、現在のセルビア社会が直面している最も差し迫った問題として、汚職、組織犯罪、および経済的課題の3点が特定されており、これらの分野においてEU加盟や関連する改革が具体的かつ長期的な解決策を提供すると期待されている。
一方で、依然としてEUに対する否定的な認識も根強く残っている。多くの回答者が、EUがセルビアに対して圧力を強め、新たな条件を課していると感じており、コソヴォの承認が加盟の前提条件であるとの認識や、EUがセルビアの加盟を真に望んでいないという疑念がEU懐疑派の主な論拠となっている。駐セルビアEU代表部は、さらに、ロシアによるウクライナへの侵略を巡る偽情報や情報操作の影響が顕著であり、公の議論を歪めている現状があると指摘している。
フォン・ベケラート(Andreas von Beckerath)駐セルビアEU大使は、若年層の強い支持を歓迎しつつも、偽情報の蔓延に強い懸念を表明した。フォン・べケラート大使は、EU加盟が抽象的な政治プロジェクトではなく、市民の生活改善に直結するものであることを強調し、セルビアの公的機関や当局者は事実をより積極的かつ客観的に伝える責任があると指摘した。
セルビアは2012年からEU加盟候補国の地位にあるが、交渉プロセスは近年停滞している。2021年12月に第4クラスター(環境・持続可能な連結性)が開放されて以降、新たな進展は見られない。欧州委員会(European Commission)は、セルビアが外交・安全保障政策をEUに整合させていないことや、法の支配、メディアの自由、汚職対策、および対コソヴォ関係の正常化における進展不足を理由に、第3クラスター(競争力と包括的成長)の開放承認を見送っている。
さらに、2024年11月に北部の都市ノヴィ・サド(Novi Sad)で発生した鉄道駅の崩落事故を受けた大規模な抗議活動も、EU関連の改革実施を遅らせる一因になったと分析されている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)




























































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