
セルビアのOMRグループが長安汽車との提携を発表ー西バルカンでの販売代理店に
7月18日、セルビアの大手複合企業OMR(OMR Group)のオストヤ・ミヤイロヴィッチ(Ostoja Mijailović)社長は、中国の四大自動車メーカーの一つである長安汽車(Changan Automobile)と戦略的提携契約を締結したことを自身のSNSで発表した。これにより、長安汽車はセルビアを足掛かりとして西バルカン地域への本格的な市場参入を開始する。
この提携に基づき、OMRグループは西バルカン各地に新たに開設する販売代理店を通じて、長安汽車の電気自動車(EV)の販売を手掛けることを予定している。市場投入の第一弾として、完全電気自動車モデルである「ディーパルS05(Deepal S05)」および「ディーパルS07(Deepal S07)」の2車種が発売される予定となっている。中国国内のサプライヤー情報によれば、ディーパルS05の価格帯は約14,100ドルから19,600ドル、ディーパルS07は約18,800ドルから26,800ドルとされている。
長安汽車のウェブサイトによれば、同社は世界14カ所に生産拠点を持ち、34の工場を稼働させる世界有数の自動車メーカーである。ミヤイロヴィッチ社長によれば、同社は2024年に約270万台の車両を販売し、世界90の市場へ輸出している。欧州市場においては、既にノルウェー、ポルトガル、ギリシャで販売網を構築し、2025年秋までにはドイツと英国でも販売を開始する計画を表明しており、今回の西バルカン進出はそのグローバル戦略の一環と位置づけられる。
パートナーとなるOMRグループは、セルビアを拠点に自動車販売、保険、リース、フリートマネジメント、不動産など多岐にわたる事業を展開している。同社の自動車部門は、ジャガー・ランドローバーのセルビアにおける独占輸入代理店であるほか、フィアット、ジープ、アルファロメオといったブランドのセルビアおよびモンテネグロにおける総代理店も務めており、同地域での豊富な販売実績とネットワークを有している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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