伊藤忠商事が運営するバルカン初の廃棄物発電プラントが稼働開始
2月8日、伊藤忠商事と仏の環境事業大手スエズの合弁企業であるBeo Čista Energija(BCE)社が運営する廃棄物発電処理プラントが稼働を開始した。BCE社は同社ウェブサイトにおいて、廃棄物からの発電が初めて行われる模様を動画で公開している。
同プラントはベオグラード郊外のビンチャ(Vinča)に建設され、BCE社によれば、年間34万トンの廃棄物を焼却処理すると同時に、年間30.24メガワットの電力及び56.5メガワットの暖房用熱供給を生み出すとされている。これはベオグラード市における電力需要の5%及び冬季熱供給需要の10%に相当する。こうした廃棄物発電プラントは、南東欧では初の施設とされている。
伊藤忠とスエズは、ベオグラード市との間で同プラントの運営に関する25年間の官民パートナーシップ(PPP)契約を2017年に締結している。こうした大型PPP案件はセルビアでは過去に例が無く、初の事例となっている。
ビンチャには1977年に設置されたセルビア最大の廃棄物埋め立て処分場が存在しているが、同施設は欧州最後の旧式大型埋め立て処分場とも言われており、周辺地域の環境への悪影響が問題視されてきた。BCE社はベオグラード市とのPPP契約に則り、この旧式処分場の閉鎖とEU基準に適合した新たな埋め立て処分場の整備も行う予定となっている。
伊藤忠はこれまでスエズ社とともに、イギリスにおいて同様のプラント4カ所を整備しており、ビンチャの施設は伊藤忠が欧州で手がける5番目の廃棄物発電事業となっている。
(アイキャッチ画像出典:BCE社ウェブサイト)
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