
CWPヨーロッパ社、アルバニアとモンテネグロの再エネ事業でEUの支援獲得
10月13日、南東欧地域での再生可能エネルギー事業を展開するCWPヨーロッパ(CWP Europe)社は、アルバニアの首都ティラナで開催されたEU・西バルカン投資フォーラムにおいて、欧州委員会(European Commission)、アルバニア投資開発庁(Albanian Investment Development Agency)、およびモンテネグロ投資促進庁(Montenegro Investment Promotion Agency)との間で、西バルカン地域における2つの大規模クリーンエネルギープロジェクトに関する共同支援宣言に署名した。総額11億ユーロを超えるこれらのプロジェクトは、地域のエネルギー安全保障とグリーン転換を大きく前進させるものと期待される。
CWPヨーロッパのプレスリリースによれば署名式に出席した欧州委員会のフォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、「本日署名された投資は、西バルカン6カ国すべてにおけるクリーンエネルギー生産から、モンテネグロのエネルギー貯蔵に至るまでを網羅している。これらは電力コストを引き下げ、我々の共通のエネルギー自給に貢献するだろう。あなた方は西バルカンだけでなく、欧州全体の新たなエネルギー基盤を構築しているのだ」と述べ、プロジェクトの戦略的重要性を強調した。
、対象となるのは、アルバニア北部で計画されている設備容量600メガワットのトロポヤ(Tropoja)風力発電所と、モンテネグロ南西部で計画されている設備容量400メガワットのモンテチェヴォ(Montechevo)太陽光発電所および蓄電池施設である。トロポヤ風力発電所は、クリーンで安価な電力を供給することにより、アルバニアのエネルギー自給率向上と国のエネルギー戦略の推進に貢献する。一方、モンテチェヴォ太陽光発電所は、同国の新たな400キロボルト送電網に直接接続され、イタリアへの海底高圧直流ケーブルを含む戦略的な国際連系線を活用してクリーン電力の輸出を最大化し、欧州エネルギー市場への統合を深めることを目指す。
CWPヨーロッパ社のエンチェフ(Dimitar Enchev)CEOは、「この地域が老朽化した石炭資産を、よりクリーンで安価な再生可能エネルギーに置き換える中で、強靭で持続可能なエネルギーシステムを構築する機会は非常に大きい」と述べ、両プロジェクトが地域の再生可能エネルギーの巨大な潜在能力を引き出し、西バルカン全体の協力を強化するとの見解を示した。
CWPヨーロッパ社は、世界的な再生可能エネルギー企業であるCWPグローバル社と、大手エネルギー商社であるマーキュリア・エナジー・トレーディング(Mercuria Energy Trading)社の合弁会社である。CWPは現在、セルビア、ブルガリア、ルーマニア、モンテネグロ、アルバニア、北マケドニア、クロアチア、モルドヴァ、ウクライナなど南東ヨーロッパ一帯で合計10ギガワットを超える再生可能エネルギープロジェクトを展開しており、今回のEUからの支援獲得は、西バルカン地域における同社の事業展開を大きく加速させる要因になると見られる。
(アイキャッチ画像出典:CWP Europe)
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