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コソヴォ憲法裁、セルビア系副議長選出問題に揺れる議会に対し、12日以内の設立会合完了を命令

9月30日、コソヴォ憲法裁判所は、同年4月15日に開始された議会の設立会合が、セルビア系議員の中から副議長を選出できなかったため、適切に終了していないとの決定を下した。

憲法裁判所は、この設立会合はコソヴォ憲法の規定に従って構成されていないと認定し、判決の発効日から12日以内に出席義務が残りの会期を完了するよう命令する決定を全会一致で下した。この命令は、議員に対し、憲法およびコソヴォ共和国の最善の利益に従って行動するよう求めている。

この判決は、シミッチ(Igor Simić)氏らセルビア系議員10名が、議会の議事録や8月26日および28日の設立会合中に下された決定の合憲性を評価するよう求めた申し立て(事件番号KO265/25)に対して下されたものである。

セルビア人コミュニティの反応と国際社会の姿勢

コソヴォ・セルビア人コミュニティの主要政党であるセルビア人リスト(Srpska lista, SL)は、憲法裁判所のこの決定を歓迎した。コソヴォ・セルビア系ニュースサイトKoSSeVの報道によれば、SLは、クルティ暫定首相が率いる現与党「自己決定運動(Vetëvendosje, LVV)」出身の議長が憲法に反する行動を取り、議会内におけるセルビア人の憲法上の権利を奪おうとしたとの主張が裏付けられたと強調した。SLは、これを「セルビア人にとって小さくとも極めて重要な勝利」であると表明し、今後も制度を通じてセルビア人の権利保護に尽力すると述べている。

また、欧州安全保障協力機構コソヴォ・ミッション(OSCE Mission in Kosovo)は、Facebook公式アカウントへの投稿を通じて、「この憲法裁判所の決定を認識しており、法の支配を尊重し、民主的ガバナンスを促進し、基本的権利を保護する上で極めて重要な役割を担う同裁判所に対する揺るぎない支持を確認する」と表明した。OSCEは、「憲法裁判所の決定は、過度の影響や政治的干渉なしに全面的に尊重され、履行されなければならない」と強調し、クルティ暫定政権による最近の公的な発言や取り組みが憲法裁判所の権威を問題視したり、信用を傷つけたりすることを懸念していると述べた。

OSCEは、司法の独立は民主主義の必要不可欠な要素であり、政治的代表者と制度は、裁判所の権威を尊重し、憲法上の枠組みと司法システム全体に対する国民の信頼を強化する責任を負っていると指摘した。そして、全ての政治主体に対し、法的枠組みおよび憲法裁判所の決定に従って議会の構成を支援するよう呼びかけている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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