セルビア

セルビア関連ニュース

【報道】ベオグラード地下鉄、仏アルストムとの10億ユーロ規模の契約を12月に締結へ

11月19日、ベオグラード地下鉄公社(JKP Beogradski metro i voz)のムラデノヴィッチ(Andreja Mladenović)総裁は、セルビア政府がフランスの鉄道車両大手アルストム(Alstom)との間で、ベオグラード地下鉄第1路線の建設に関連する契約を12月15日までに締結する見通しであることを明らかにした。

タンユグ通信(Tanjug)報道においてムラデノヴィッチ総裁がのべたところによると、この契約の規模は約10億ユーロに上る見込みである。契約に基づき、アルストムは32編成の車両に加え、信号システム、通信システム、電力供給システム、および電気機械システムに関連する一部の機材をベオグラード地下鉄に対し納入することになる。ムラデノヴィッチ総裁は、この合意がベオグラード地下鉄第1路線の建設において、現時点で署名される契約の中で最も重要かつ最大規模のものの一つであると強調している。

アルストムは2021年にセルビア政府との間で、地下鉄第1路線のフェーズ1建設に関する覚書に署名しており、これには車両の納入、デジタル列車制御システム、ホームドア、インフラおよび輸送システムの統合が含まれていた。一方で、土木工事などの建設プロジェクト自体は中国のパワーチャイナ(PowerChina)が担当する枠組みとなっており、本プロジェクトはフランスと中国の企業が主要な役割を分担する形で進行している。

セルビア政府の2026年予算案によると、ベオグラード地下鉄システムの建設に向けて合計207億ディナール(約1億7700万ユーロ)を割り当てる計画である。また同予算案では、政府が2026年に本プロジェクトのために合計25億ユーロを借り入れる可能性も示されており、その内訳はフランス国庫から1億5000万ユーロ、外国の投資法人やファンド、銀行から23億5000万ユーロとなっている。

ベオグラード地下鉄の全体構想は、総延長の異なる3つの路線(それぞれ21.3km、24km、24km)と計67の駅で構成される計画である。直近の動向として、2024年にはセルビア政府がパワーチャイナとの間で第1路線のフェーズ1におけるロット1およびロット2の設計・建設に関する個別契約を締結している。また、中国鉄道建設重工集団(China Railway Construction Heavy Industry Corporation Limited: CRCHI)が製造している2台のトンネル掘削機(TBM)は、2026年後半にセルビアの首都に到着する予定である。なお、ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は先週、ベオグラード地下鉄第1路線について、今後3年以内に完成する見込みであると述べている。

(アイキャッチ画像出典:JKP Beogradski metro i voz)

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。