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アホールド・デレーズ社、利益率制限を巡りセルビア政府に対する国際仲裁を申し立て

2月6日、オランダに本拠を置く小売・卸売大手アホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)は、セルビア政府による大手小売店への一時的な利益率制限措置を不当とし、世界銀行グループの投資紛争解決国際センター(International Centre for Settlement of Investment Disputes: ICSID)に仲裁を申し立てたことを明らかにした。

今回の提訴は、セルビア政府が食品価格の高騰を抑制する目的で2025年9月1日から半年間の期限で導入した規制に端を発している。この規制は、大手小売店の利益率を20%に制限するほか、仕入れ価格やサプライヤーへの手数料に対する法的制限、さらには商品の取り扱い停止や発注削減に対するサプライヤーの拒否権を認めるという、前例のない市場介入を含んでいる。アホールド・デレーズ傘下で現地展開するデレーズ・セルビア(Delhaize Serbia)によれば、この措置は同社の収益の85%以上に影響を及ぼしている。

アホールド・デレーズ社のプレスリリースによれば、同社は数ヶ月間にわたりセルビア当局と建設的な対話を試みてきたが、解決に至らなかったと説明している。同社は「デレーズ・セルビアは現在、事業の持続可能性を著しく損なう赤字状態で運営を余儀なくされており、投資価値が毀損されている」と主張している。規制導入後のわずか4ヶ月間で多額の損失を計上した結果、国内25店舗の閉鎖と2026年に予定していた投資計画の中止を決定し、数百人の雇用が失われる事態となっている。

さらに、セルビア当局は規制の不履行を理由に、デレーズ・セルビアに対し2,450万ディナール(約20万8,722ユーロ)の罰金を科しているが、同社はこれについても法廷で争う構えを見せている。デレーズ・セルビアは2024年、売上高1,674億ディナール、純利益74億ディナール(純利益率約4.4%)を記録していた。

アホールド・デレーズは、オランダ・セルビア二国間投資条約(Netherlands–Serbia Bilateral Investment Treaty)に基づく権利の保護を求めており、国際的な仲裁メカニズムを通じて、予測可能で透明かつ公正な投資環境の維持を求めている。

デレーズ・セルビアはセルビア国内で25年間にわたり事業を展開し、500以上の店舗と1万1,000人以上の従業員を抱える国内最大級の民間雇用主である。過去10年間で5億3,600万ユーロをセルビア国内に投資しており、取引先の多くは地元セルビア企業である。同社は今後も現地市場への関与は継続するとしているが、今回の政府による急進的な介入は、セルビアの長期的な投資環境に対する国際的な信頼を損なう可能性が指摘されている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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