
アルバニア議会、EU基準の男女平等法を可決 -野党は「伝統的価値観の破壊」と抗議
11月6日、アルバニア議会は、欧州連合(EU)の基準に沿った新たなジェンダー平等法案を可決した。この法律は、EU加盟候補国としての国内法の整備を進める一環であり、公的および私的部門におけるあらゆるジェンダーの共同参画の実施を確保することを目的としている。
与党・社会党(Socialist Party)会派筆頭であるバラ(Taulant Balla)議員は議会審議において、新法はジェンダー代表制の改善、ジェンダーに基づく暴力からの女性保護、そしてEU基準の導入を目指すものであると説明した。2008年に制定された従来の男女平等法を置き換えるこの新法では、「未払い労働」、「性差別」、「ジェンダーに基づく暴力」といった新たな概念が導入されるほか、意思決定の場における女性の割合を従来の30%クオータから引き上げ、EU機関の勧告を反映した均等代表制への移行を目指す内容となっている。
一方で、野党側はこの新法が「複数のジェンダー・アイデンティティを承認するものだ」と主張し、国民投票の実施を要求した。議会での採決中、首都ティラナの議会前には数十人の市民や活動家、野党メンバーが集まり抗議デモを行った。最大野党・民主党(Democratic Party)のベリシャ(Sali Berisha)党首はデモ参加者に対し、新法は「アルバニアの伝統的な家族構成に反する価値観を助長」し、「家族の自然的・生物学的な二元性を覆すものだ」と述べ、議員らを非難した。この法案は、3月に公開協議に付されて以来、アルバニア国内市民社会の一部から抗議を受けていた。
アルバニアのEU加盟交渉を巡っては、欧州委員会(European Commission)が11月4日に発表した2025年拡大パッケージ(年次拡大進捗報告書)において、改革のペースを維持することを条件に、2027年までに交渉を完了するという目標は順調に進んでいるとの見解が示されていた。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)









































































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