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拡大担当欧州委員「EUのロシア産ガス禁輸措置はセルビアへのガス供給を妨げるものではない」

10月21日夜、欧州連合(EU)のコス(Marta Kos)拡大担当欧州委員は、ベオグラードに拠点を置くN1 TVのインタビューに応じ、EUが承認したロシア産ガスの輸入禁止措置がセルビアへの供給を妨げるものではないと明言した。

N1の報道によれば、ロシア産ガス問題について、コス委員は、EU理事会(Council of the European Union)が20日に承認したロシア産ガス輸入禁止案を巡り、セルビア国内で「EUがセルビアへのガス供給を停止する」との誤情報が流れていると指摘し、「それは嘘だ」と強く否定した。同委員によれば、合意内容はEU加盟国にロシアとのガス供給契約の解消を義務付けるものだが、セルビアを含む第三国へのガス輸送(トランジット)を加盟国が妨げることは規定されていないと説明した。

コス委員は、21日に開催された欧州議会におけるセルビアに関する会合においても、同様の趣旨の発言を行っている。

出典:N1

このEUの決定に対し、セルビアのヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領ら政府高官からは、主に「バルカン・ストリーム(Balkan Stream)」を通じてロシア産ガスを輸入する同国にとって深刻な打撃であるとの懸念が相次いで示されていた。

EU理事会が公表した規制案では、2026年1月1日からの輸入禁止措置が盛り込まれているが、EU域内を通過(トランジット)するガスについては「トランジット監視制度」を設け、EU域内での自由流通を防ぐ措置が講じられる。具体的には、規制案の第7条(5)項 に基づき、第三国から第三国へEU域内を通過するガスの輸送(トランジット)を行おうとする第三国の事業者は、ガス原産国、予定される輸送スケジュールと輸送量、ロシア側との供給契約に基づくガスの購入量と配送地点といった情報を輸送開始予定日の1ヶ月前までに、EUの認可当局(および税関)に通知する必要があるとされている。

セルビアは現在、2022年5月に延長したロシアのガスプロム(Gazprom)との3年契約(年間最大22億立方メートル)に加え、アゼルバイジャンからもガスを輸入しており、並行してガスプロムと新たな長期契約を交渉中である。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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