来夏よりコトルとドゥブロヴニクを結ぶフェリーが就航
11月30日、モンテネグロのラドゥロヴィッチ(Filip Radulovic)海事大臣は、2025年夏より、同国のアドリア海沿岸都市コトルとクロアチアのドゥブロヴニクを結ぶ新フェリー航路を開設すると発表した。
モンテネグロ政府声明によると、新航路は2025年6月2日から9月30日まで運航される予定で、2024年に成功を収めたブドバ・ドゥブロヴニク間のフェリー航路に続く新たな海上交通路となる。
ラドゥロヴィッチ大臣は、「この新航路が両国の友好関係と経済関係を一層強化し、沿岸地域の観光地としての魅力を高めることになる」との期待を示した。
ブドバ・ドゥブロヴニク間のフェリーは、クロアチアの旅行会社コンパスの子会社であるドリアティック・ラインズ社が運航しており、ラドゥロヴィッチ大臣は、ブドバ・ドゥブロヴニク間路線についても2025年の夏季シーズン開始時から再開される予定であると述べた。一方で、新たに就航予定のコトル・ドゥブロヴニク間路線については、運航する企業は明言されていない。
コトルはユネスコ世界遺産に登録された都市であり、アドリア海で最も入り組んだ地形で知られるコトル湾に位置している。また、ブドバはモンテネグロ最大のアドリア海リゾート地となっており、その周辺のブドバ・リヴィエラ地域はモンテネグロを訪れる観光客にとっての人気スポットとなっている。
一方、アドリア海沿岸を代表する観光地として日本でも知名度が高いドゥブロヴニクには、全世界から毎年約140万人の観光客が訪れており、邦人観光客も多数訪れている。外務省の説明によれば、コロナ禍以前は毎年約15万人の邦人観光客がクロアチアを訪問しており、コロナ禍で一旦は落ち込んだものの、2023年以降は回復傾向にあるとされている。
旅行会社等が企画する日本人向けツアーなどにおいても、ドゥブロヴニクからコトルを訪れる日程が組まれることも多いが、現在のところ両地の間の移動手段はバスやタクシー等による陸路移動のみとなっており、国境審査も必要となるため、観光シーズンには片道3~5時間を移動に要することもある。両地を結ぶ新たな直行フェリーの就航は、移動時間を大幅に短縮し、コトルを訪れる観光客数の増加に繋がると期待されている。
(アイキャッチ画像はコトル湾に入港するクルーズ船、2019年6月撮影)
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