ホテル・ユーゴスラヴィア跡地にリッツ・カールトンが2027年開業予定
米ホテル大手マリオット・インターナショナルが、ベオグラードの旧ホテル・ユーゴスラヴィア跡地にリッツ・カールトンホテルを2027年に開業することが明らかとなった。
1969年にベオグラード新市街側のドナウ川沿いに開業した国営のホテル・ユーゴスラヴィアは、ユーゴスラヴィアを代表する高級ホテルとして知られ、ユーゴスラヴィアを訪問した外国要人の宿舎としても利用されており、ベオグラードのランドマーク的な存在であった。
1999年の北大西洋条約機構(NATO)によるベオグラード空爆の際にホテルも攻撃を受け、一部を補修したうえで営業再開したが、2006年にホテル経営が民営化された後は営業を停止していた。その後、経営権の譲渡が繰り返される中で、度々ホテル・ユーゴスラヴィアの再建案や改築案が遡上に挙がり、2014年にはケンピンスキーホテルとして改装するという計画が発表されたが、その後具体的な動きは見られなかった。
11月26日、セルビア建設会社ミレニアム・チームの子会社であるドナウ・リバーサイド社が、マリオットと協力契約を締結し、セルビアでは初となるリッツ・カールトンブランドのホテル建設が正式に決定した。発表によれば、新たに建設されるホテルは、客室数193,レストラン2店舗に加え、1,700平方メートルのイベントスペースを備える予定とされている。
このホテルは、ミレニアム・チームが建設を進める総工費5億ユーロ規模の複合施設の一部となっており、この施設には42階建ての居住用マンション及び34階建てのビジネスタワーが含まれる予定となっている。
契約締結式典に出席したマリ(Siniša Mali)第一副首相兼財務大臣は、この建設プロジェクトについて、「セルビアの大きな夢の実現であり、(セルビア政府が進めるベオグラード市内の再開発計画である)「ベオグラード・ウォーターフロント」の成功を象徴する事業である」と述べた。
セルビア政府は、2027年に開催されるベオグラード認定博に向けたインフラ整備や建設事業を多数打ち出しており、国際資本による大型ホテル整備もその一環となっている。マリ財務大臣によれば、2027年のベオグラード博には140カ国から約400万人の来場者が訪れると見込まれており、その対応に向けた宿泊施設の整備は政府にとって優先度の高い目標であるとされている。
マリオット・インターナショナルは142カ国で約9,100のホテルを運営する世界最大級のホテルチェーンであり、リッツ・カールトンは同社の最高級ブランドとして位置づけられている。
(アイキャッチ画像は現在のホテル・ユーゴスラヴィア、出典:Shutterstock)
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