セルビアがウォズニアック氏にパスポートを付与
12月6日、セルビアを訪問したApple社の共同創業者であるウォズニアック(Stephen Gary Wozniak)氏と会談したブチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、会談後の記者会見において、ウォズニアック夫妻にセルビア市民権を付与すると発表した。
ブチッチ大統領は、「IT業界の伝説的人物であり、また天才的なエンジニアでもあるウォズニアック氏をセルビアに迎え、そのような人物にセルビアのパスポートをお渡しできることは大変光栄である。ウォズニアック氏との議論の中では、人々の意識を変革するうえでの教育の重要性が話題になった。我々は、セルビアの全ての生徒と子供にとって最良の教育環境を整えることで、この国を離れる若者を減らしていけると考えている。」と述べた。
ウォズニアック氏は、「自分は明日からアメリカに暮らすセルビア人となる。これからはセルビアの歴史や文化を学んでいきたい。企業にとってイメージは極めて重要であるが、セルビアのイメージを向上させるうえで、2027年にベオグラードで開催される万博は最良の機会となるだろう。自分もセルビアの良いイメージを後押しする手助けをしていきたい。」と述べた。
セルビアは12月17日に前倒し総選挙を控えており、選挙を前にしてウォズニアック氏のような著名な人物とブチッチ大統領が会談したことについて、野党関係者らは「著名なセレブリティに金を払って選挙キャンペーンに利用している」と批判した。これに対しブルナビッチ(Ana Brnabić)首相は、「ウォズニアック氏には1ディナールも払っていない」としてこれを否定した。
今回のウォズニアック氏とブチッチ大統領の会談は、セルビア人の元テニス選手であるティプサレビッチ(Janko Tipsarević)氏の仲介によって実現したとされている。ティプサレビッチ氏は、ブチッチ大統領が主導する与党セルビア進歩党(SNS)の党員として知られている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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