
セルビア大統領、内分泌学専門家のマツット氏を新首相候補に指名
4月7日、セルビアのブチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は20、ベオグラード大学医学部の著名な内分泌学者であるジュロ・マツット(Đuro Macut)教授を次期首相候補に指名したと発表した。
「マツット氏は首相としての職務を遂行するために必要な専門的・個人的資質、専門知識、献身を備えており、新政府選出のための過半数を確保できると私に保証した」とブチッチ大統領は公共放送RTSが放送した国民向け演説で述べた。
ブチッチ大統領は、議会が4月18日までに新政府を選出すると述べた。新内閣は「地域政策に関するあらゆる圧力に国が抵抗し、米国との関税問題を解決し、欧州統合への道を加速させると同時に、東の伝統的友人との関係を維持し、外国および国内の投資レベルを回復するという困難な任務に直面する」と大統領は説明した。
マツット氏はセルビア大学臨床センターの内分泌学・糖尿病・代謝疾患クリニックの内分泌腫瘍および遺伝性がん症候群部門の責任者である。RTSが公開した経歴によると、2019年からベオグラード大学医学部の内科教授を務めている。
最近まで政治の世界ではほとんど知られていなかったマツット氏は、1月にセルビア中部の都市ヤゴディナ(Jagodina)でのヴチッチ大統領の集会で演説した際に注目を集めた。昨年11月のノヴィ・サドでの鉄道駅舎屋根崩落事故以来、国内を揺るがしている学生主導の大規模抗議デモに追い詰められていたヴチッチ大統領は、1月24日にヤゴディナで集会を開き、「国民・国家運動」と称される新たな政治グループの発足を発表していた。
3月23日、ブチッチ大統領はインスタグラムへの投稿で、この運動の設立委員会の最初の会合が開催されたと記した。「この運動は、すべての名誉ある市民に対し、その能力と知識でセルビアに貢献し、我が国がその歴史上最も成功した国になるよう支援することを呼びかけている」とヴチッチ大統領は記した。
国内報道によると、マツット氏はこの運動の創設者の一人であるとされている。
選出された場合、マツット氏は抗議デモの中で1月に辞任した与党セルビア進歩党(Srpska napredna stranka、SNS)党首のヴチェヴィッチ(Miloš Vučević)氏に代わって首相に就任することになる。ヴチェヴィッチ氏の辞任は3月19日に議会で承認され、新政府樹立のための30日間の期限が設けられた。この期限内に新政府が樹立されない場合、議会選挙が自動的に招集され、政党には45〜60日の選挙運動期間が与えられる。
250議席の議会でSNSは112議席を持ち、政府を形成するには連立パートナーを求める必要がある。彼らの伝統的な同盟者であるセルビア社会党(Socijalistička partija Srbije、SPS)は12議席を持っている。
SNSが率いるセルビアの連立政府は、2023年12月に行われた繰り上げ選挙後の2024年5月に発足した。SNSは2012年から政権を握っている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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