ボスニア・ヘルツェゴヴィナ

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スロヴェニア政府がドディック前RS大統領の入国禁止を決定

9月11日、スロヴェニア政府は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの構成主体であるスルプスカ共和国(Republika Srpska, RS)の前大統領であるドディック(Milorad Dodik)氏の入国を禁止する決定を下した。スロヴェニア政府声明によると、この決定は即日発効するものの、その理由は公表されていない。

この措置は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ国内でドディック氏を巡る政治的緊張が高まる中で下された。ボスニア・ヘルツェゴヴィナ中央選挙管理委員会は8月下旬、RS大統領としてのドディック氏の権限を無効とし、ボスニア国家裁判所がドデイック氏に対する6年間の公職追放処分を科す判決を確定させたことを受けて、11月23日にスルプスカ共和国で早期選挙を実施することを決定した。しかし、ドディック氏はこの措置に抵抗する姿勢を表明している。

これに対し、スルプスカ共和国議会は、1995年の紛争を終結させたデイトン和平合意の履行を監督するシュミット(Christian Schmidt)上級代表の権威や、ドディック氏に対する司法判断に異議を唱えるため、10月25日に住民投票を実施する決定を下している。ドディック氏は以前、この住民投票の結果が妥当な期間内に認められない場合、90日以内にスルプスカ共和国の独立を問う住民投票を実施すると発言しており、分離独立も辞さない構えを見せている。

ボスニア・ヘルツェゴビナはデイトン合意に基づき、スルプスカ共和国とボスニア・ヘルツェゴビナ連邦(Federacija Bosne i Hercegovine)という、それぞれが高度な自治権を持つ2つの構成主体(政体)から成る連邦国家として統治されている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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