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コソヴォ、オスマニ大統領がコニュフツァ氏に組閣を要請-LVV、再選挙回避へ最後の試み

11月4日、コソヴォのオスマニ (Vjosa Osmani) 大統領は、2月の総選挙で第1党となった「自己決定運動」(Levizja Vetevendosje, LVV)に所属するグラウク・コニュフツァ (Glauk Konjufca) 氏に対し、新政府の組閣を要請した。これは、LVV党首であるアルビン・クルティ (Albin Kurti) 暫定首相の組閣案が10月下旬に議会で否決されて以来続く、国内の政治的膠着状態の打開を目指す動きである。コニュフツァ氏は今後、議会の承認を得るために閣僚名簿を提示する必要がある。

LVVは2月の選挙で120議席中47議席を獲得したが、単独過半数には至っておらず、連立政権の樹立に難航していた。今回の組閣要請は、オスマニ大統領がクルティ氏以外の人物に組閣を要請するか、あるいは解散総選挙を宣言するかの法的な期限であった11月5日を目前にした、土壇場での決定であった。

クルティ氏は4日、オスマニ大統領との会談直後、LVVの党中央評議会において、クルティ氏自身に代わってコニュフツァ氏を次期首相候補として指名すると発表した。クルティ氏は、コニュフツァ氏主導の内閣が成立した場合、自身は第一副首相兼外務大臣に就任する意向を示した。これは、10月26日に否決された自身の組閣案においてコニュフツァ氏に提示していた役職と同じである。

クルティ氏は、仮にこの提案に基づく新内閣が成立した場合でも、政権が短命な政権になる可能性も示唆している。新政権の主な任務は2026年度予算案と、EU(欧州連合)の「成長計画」に関連する財政支援策を議会で可決させることであり、その後、来年4月に新たな総選挙を行うとした。この時期はオスマニ大統領の5年間の任期が終了する時期と重なるため、クルティ氏は、大統領選挙と議会選挙を同時に行うことで「二重の選挙」を回避する機会を野党に与えるものだと説明した。

しかし、野党側はこの提案に強く反発している。コソヴォ民主連盟 (LDK) は、このような「憲法違反の行動や不明確な合意」によるのではなく、国民の信を問うこと、すなわち早期の解散総選挙が「必要不可欠」であると主張した。コソヴォ将来同盟 (AAK) 党首のハラディナイ (Ramush Haradinaj) 元首相も5日、「大統領には、必要な過半数を確保した証拠(議員の署名)なしに組閣を要請する権限はない」と述べ、このような動きは重大な憲法違反にあたると警告した。最大野党であるコソヴォ民主党 (PDK) も同様に、LVVに再び組閣を試みさせることは「時間の浪費」であり、唯一の公正な解決策は解散総選挙であるとの見解を示した。

この政治的停滞について、欧州委員会(European Commission)は4日、コソヴォのEU統合プロセスを失速させていると懸念を表明した。制度的な行き詰まりが改革の進展を遅らせ、EUの加盟前支援基金の活用を妨げていると指摘されている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock Ai generated)

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