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ハンガリー、セルビアとの高速鉄道の自国区間を今冬にも開通へ

8月17日、ハンガリーのラザール(János Lázár)建設・運輸大臣は、ハンガリーの首都ブダペストとセルビアの首都ベオグラードを結ぶ高速鉄道のうち、ハンガリー側の区間が今冬にも旅客輸送を開始できる見通しであると明らかにした。

ラザール大臣がセルビアの放送局Pannon RTVとのインタビューで語ったところによると、ブダペストからハンガリー・セルビア国境のセルビア側の都市スボティツァ(Subotica)を結ぶ約150kmの区間について、技術的な引き渡しが今年11月に予定されており、12月もしくは来年1月には一般向けの運行を開始する計画であるという。また、ハンガリー国鉄は、全線開通後にはブダペストとベオグラード間を1日3往復運行することを計画している。このハンガリー側の区間の建設は、ハンガリーと中国の企業からなるコンソーシアムが受注しており、総事業費21億ドルのうち85%は中国輸出入銀行からの融資で賄われている。

一方、セルビア側の区間については、ベオグラードと北部の主要都市ノヴィ・サド(Novi Sad)を結ぶ75kmの区間が2022年3月にすでに開通している。しかし、ノヴィ・サドからスボティツァまでの残る108kmの区間については、2024年11月1日にノヴィ・サド駅でコンクリート製の天蓋が崩落し16名が死亡する惨事が発生した影響で、開通が遅延している。セルビアのソフロニイェヴィッチ(Aleksandra Sofronijević)運輸大臣は今年7月、同区間が9月15日にも旅客輸送を開始できる可能性があると言及している。

このブダペスト-ベオグラード間の高速鉄道プロジェクトは、欧州の主要な交通網である欧州輸送回廊第10号(European Transport Corridor X、通称「コリドー10」)の一部を構成する。全線が開通すれば、両首都間の所要時間は現在の約8時間から3時間未満へと大幅に短縮されることになり、両国間の人的・経済的交流の活性化が期待されている。

(アイキャッチ画像はセルビア側区間を走る高速列車車両、出典:Shutterstock)

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