伊藤忠が参画するベオグラードの廃棄物処理発電プラントが正式稼働開始

11月12日、ベオグラード近郊のヴィンチャにおいて、セルビア初の廃棄物処理・発電プラントが正式に稼働を開始した。

この施設はヴィンチャ廃棄物管理センターに建設され、伊藤忠商事が、仏の水・環境インフラ大手ヴェオリア、再生可能エネルギー分野での投資実績を有するマルガリータファンド(ルクセンブルク)との合弁で設立したが設立したBEO ČISTA ENERGIJA(BCE)社によって運営されており、またセルビア初の官民連携事業(PPP)として実施されている。2024年7月1日より商業運転を開始していたが、この度、ベオグラード市との契約に基づき正式に稼働開始した。施設はベオグラードで発生する廃棄物の半分以上を熱処理し、グリーンエネルギーとして熱と電力を供給する。

参考記事

BEO ČISTA ENERGIJA社のプレスリリースによれば、この施設はベオグラードで発生する廃棄物の半分以上を焼却処理し、グリーンエネルギーとして熱と電力を供給するものであり、年間80万トン以上の一般廃棄物および建設廃棄物を処理する能力を有し、ベオグラード市の家庭の約10%に熱エネルギーを、約5%に電力を供給することが可能であるとされている。

セルビア政府プレスリリースによれば、正式稼働の記念式典に出席したヴーヨヴィッチ(Irena Vujovic)副首相兼環境相は、「この施設の稼働により年間21万トンの二酸化炭素排出削減が見込まれる。これは樹齢10年の木300万本以上による二酸化炭素吸収量に相当する。また、施設には排出量を監視するスマートシステムとアラームが装備されている。この事業の実施は、セルビアがグリーンアジェンダと循環型経済の構築に対し如何に真剣にコミットしているかを示している」と述べた。

ヴィンチャ廃棄物管理センターには不燃物処理用の埋め立て処理場が併設されており、ヴーヨヴィッチ副首相は、この埋め立て処分場に可燃性ガス回収設備を整備する計画があると述べた。

また式典に出席した伊藤忠商事の都梅博之代表取締役副社長は、「伊藤忠は、都市廃棄物の管理とエネルギー利用の分野で、世界的に見ても最も困難なプロジェクトの一つを実施したことを誇りに思っており、またベオグラード市とセルビア共和国政府の支援に感謝しする。ベオグラードの環境改善に貢献し、セルビア国民のより良い持続可能な未来に向けた大きな一歩を可能にしたことを嬉しく思う。伊藤忠商事は1962年からセルビアで事業を展開しており、セルビア共和国とベオグラードは当社にとって最も重要な市場の一つとなっている。我々はセルビアとの関係の歴史に新たなページを開くことを嬉しく思っており、今後もセルビアとベオグラードの更なる発展に貢献していきたい」と述べた。

この日の式典には、今村朗在セルビア日本大使、コシャル(Pierre Cochard)在セルビア仏大使に加え、欧州復興開発銀行(EBRD)西バルカン地域ディレクター等も出席した。

(アイキャッチ画像出典:BCE社ウェブサイト)

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