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中・南東欧8カ国が資本市場協力覚書に署名 ― 西バルカンからは北マケドニアのみが参加

8月25日、クロアチアの首都ザグレブ(Zagreb)において、中欧および南東欧地域の資本市場統合に向けた歴史的な一歩が記された。クロアチアのプリモラツ(Marko Primorac)副首相兼財務大臣の招聘により、クロアチア、スロヴェニア、スロヴァキア、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、北マケドニアの計8カ国が、資本市場の発展における協力に関する覚書(Memorandum of Understanding)に署名した。

クロアチア政府プレスリリースによれば、この地域イニシアティヴは、参加国間の緊密な協力、規制の整合性確保、市場統合の促進を通じて、各国の資本市場を共同で発展させることを目的としている。最終的な目標は、流動性を高め、より強力で、目に見え、効率的かつ競争力のある資本市場を地域全体に創出することだとされている。覚書は、資本市場とより広範な金融エコシステムの潜在能力を最大限に活用することで、参加国の経済を強化し、地域の金融協力を深めるという共通の政治的意志とビジョンを再確認するものである。

今回の合意は、2024年末にブラチスラヴァ(Bratislava)、ブカレスト(Bucharest)、ブダペスト(Budapest)、リュブリャナ(Ljubljana)、スコピエ(Skopje)、ソフィア(Sofia)、ワルシャワ(Warsaw)、ザグレブ(Zagreb)の各証券取引所と、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development, EBRD)との間で締結された戦略的合意を基盤としており、EBRDはこのイニシアティヴへの支援を継続している。

西バルカン地域から唯一参加した北マケドニアにとって、この覚書は特に重要な戦略的意味を持っている。北マケドニアのディミトリエスカ=コチョスカ(Гордана Димитриеска-Кочоска)財務大臣は、この協力が北マケドニアの欧州連合(EU)加盟に向けた経済改革の重要な一環であると強調している。

北マケドニア政府プレスリリースによれば、同財務大臣は、「このイニシアティヴへの参加は、我々の資本市場をEU基準に整合させ、より深く、より流動性の高い欧州金融市場へ統合するための断固たるコミットメントを示すものだ」と述べた。さらに「これにより、外国直接投資(FDI)をより一層誘致し、国内企業の新たな資金調達の道を開き、ひいては持続的な経済成長を加速させることができる」と述べ、国民経済にもたらされる具体的な利益への期待を表明した。

クロアチア政府などによれば、この協力の枠組みは、EUの「貯蓄・投資連合戦略(Savings and Investment Union Strategy)」とも完全に整合している。この戦略は、家計の貯蓄と民間資本を資本市場に振り向け、特に中小企業への投資を活性化させるとともに、国境を越えた資本フローを改善し、より深く、流動性の高い、強靭なEU資本市場を構築することを目指している。

プリモラツ財務大臣は、今回の署名を「巨大な可能性を秘めた資本市場の分野における参加国間の協力強化における歴史的なマイルストーン」と評価しており、この協力関係が参加国すべての競争力を高め、その市場を国際投資家にとってより魅力的なものにし、ひいては地域全体のさらなる経済成長を促進するだろうとの見解を示した。

北マケドニアのようなEU加盟候補国の参加は、このイニシアティヴが西バルカン地域全体の経済的安定と欧州統合に貢献する可能性を秘めていることを示唆している。

(アイキャッチ画像出典:Ministry of Finance of the Republic of Croatia)

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