
拡大担当欧州委員、モンテネグロの2028年EU加盟の可能性に言及
9月1日、欧州委員会のマルタ・コス(Marta Kos)拡大担当委員は、欧州連合(EU)への新規加盟は単に規模や人口を増やすだけでなく、外国からの影響に対する保護をもたらすとの見解を示し、モンテネグロが2028年までに次期加盟国となる可能性があると述べた。
スロヴェニアで開催されたブレッド戦略フォーラム(Bled Strategic Forum)におけるEU拡大に関するパネルディスカッションで、コス委員は拡大プロセスを「歴史上類を見ない欧州の統一」であると評した。コス委員はまた、加盟候補国におけるリーダーシップと、より断固とした改革の実行の重要性を強調し、同パネルに参加したモンテネグロのスパイッチ(Milojko Spajić)首相とアルバニアのラマ(Edi Rama)首相をその好例として挙げた。コス委員は両国のEU加盟について楽観的な見方を示し、モンテネグロは2028年に、アルバニアは2029年あるいは2030年にEUに加盟する可能性があると付け加えた。
これに対し、ラマ首相は西バルカン諸国がEUの加盟国となることで、27カ国からなるEUはより強固になると発言した。その理由として、西バルカンのEU加盟によって、欧州のどの地域も「外部からのウイルス、微生物、攻撃、病気」に晒されたままになることがなくなるためだと説明した。
一方、スパイッチ首相は、モンテネグロが、明確な多数派民族が存在しないという点で欧州で最も民族的に多様な国家であり、そのような国で国内での妥協に基づくコンセンサスを形成することの重要性を強調した。
また、同フォーラムのホスト国であるスロヴェニアのゴロブ(Robert Golob)首相は、ウクライナでの戦争によって開かれたEU加盟への好機を西バルカン諸国が活用するよう促した。クロアチアのプレンコヴィッチ(Andrej Plenković)首相は、「EU加盟国は西バルカンへのEU拡大は、これまでEU加盟国の優先事項ではなかった。北マケドニアは、20年前はクロアチアよりもEU加盟プロセスにおいて前を走っていたが、現在でもその当時からほとんど前進していない。これはEU加盟プロセスが二国間問題の犠牲になっている例だが、倫理的には受け入れがたい状況だ」と述べて、EU側の消極姿勢を批判した。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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