「嵐」作戦27周年追悼式典が開催される

8月4日、セルビア北部ノビサド市において、「嵐」作戦の犠牲者を追悼するセルビア政府主催式典が開催された。式典には、ブチッチ(Aleksandar Vucic)セルビア大統領のほか、セルビア正教会のポルフィリェ総主教(Patriarch Porfirije)、ドディック(Mirolad Dodik)ボスニア・ヘルツェゴビナ大統領評議会セルビア系メンバー、コソボのセルビア系政党「セルビア人リスト」のラキッチ(Goran Rakic)党首も出席した。

「嵐」作戦はクロアチア紛争末期の1995年8月4日から7日にかけて実施されたクロアチア軍主導の大規模攻勢作戦であり、これによってクロアチア政府は、クロアチア東部においてセルビア系住民が実効支配していた領域の大部分を奪還した。一方で、クロアチア東部に居住していたセルビア系住民の多くが戦闘の犠牲となったり家を追われる形となっており、セルビア政府は「嵐」作戦によって約1,900人のセルビア系住民が犠牲となり、また約25万人が難民になったと主張している。

ブチッチ大統領は式典において、「『嵐』作戦は決して神話ではない。しかし、我々は復讐や国境変更を夢見ているわけではなく、平和のために跪くだけである。何年もの間、セルビア国内ではセルビア人に対してなされた犯罪を誰も目にしていないかのようだった。我々は18年もの間、セルビア人の受けた被害から目を背け、我々自身に罪悪感を感じることを強いてきた。そうすることで、犯罪者達を正当化してきた。彼らは毎日のようにセルビアを攻撃してくるが、それでも十分ではない。我々がセルビア人に対する犯罪についてどれだけ沈黙を保とうが、十分沈黙していないと言われる。我々が(セルビア人が加害者となった犯罪について)どれだけ許しを乞おうが、十分に跪いていないと言われる。我々がセルビア人以外の被害者についてどれだけその被害を認めようが、決して十分とはならない。」と述べた。

ブチッチ大統領スピーチ動画(Tanjug.rsより)

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