セルビア大統領:「セルビアはベオグラード万博開催準備に178億ユーロを投じる」

1月20日、ブチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、セルビア宮殿(Palace of Serbia)で行われた2027年ベオグラード万博に関するプレゼンテーションの中で、セルビアは万博開催準備のため、セルビア政府の単年度国家予算に匹敵する178億ユーロの資金を投じる計画であると述べた。

出典:セルビア大統領府公式Youtubeチャンネル

ブチッチ大統領に続いて発表を行ったマーリ(Siniša Mali)副首相兼財務大臣は、万博準備事業として、万博のメイン会場となるパビリオンに加え水泳場、陸上競技場、1,500室の居住施設などを新たに建設し、また新たな高速道路インターチェンジや10kmの道路整備を行うとの構想を示した。マーリ大臣によれば、万博関連の工事は2026年12月までの完了を予定しており、また万博開催期間中には300万人の来場者が見込まれている。

ブチッチ大統領は、万博が開催される2027年末までに国内総生産を978億ユーロまで増加させると同時に、セルビアの生活水準を劇的に向上させると述べた。具体的には平均賃金を1,800ユーロ(現在は836ユーロ)へ、年金を月額650ユーロ(現在は391ユーロ)へそれぞれ引き上げ、また失業率を7%台へ(現在は9%)、国内貧困率を16.7%へ(現在は20%)と引き下げ、出産手当を大幅に増額することで合計特殊出生率を1.7まで改善させると述べた。他方でブチッチ大統領は、マーストリヒト収斂基準(注:ユーロ加盟国に求められる財政・経済基準)に則り、公的債務が対GDP比60%を超過することはないと述べた。

一方、ブルナビッチ(Ana Brnabić)首相は、2027年までの期間におけるセルビアの重点投資分野として情報通信技術(IT)、バイオ技術、人工知能(AI)を挙げ、2027年万博ではICT分野での先進国としてのセルビアの姿を世界中が目にすることになるだろうと述べた。

2027年ベオグラード万博は認定博覧会(Specialised Expo)として開催され、セルビアは「人間性のための遊び:全ての人のためにスポーツと音楽を(Play for Humanity: Sport and Music for All)」をテーマに掲げて立候補し、プーケット(タイ)、マラガ(スペイン)、ミネソタ(米国)等を退けて開催地に選定された。

セルビア政府プレスリリース

(アイキャッチ画像出典:セルビア政府ウェブサイト)

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