スルプスカ共和国政府と中国企業が高速道路建設に関する了解覚書に署名
9月2日、スルプスカ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する二つの政体のうちの一つ、以下RSと表記)政府は、済南(中国)に本拠地を置く中国山東対外経済技術合作集団有限公司(China Shandong International Economic and Technical Cooperation Group、以下CSIと表記)との間で、同国東部における高速道路建設に関する了解覚書に署名した。
署名された覚書の対象となるのは、同国北東部のセルビアとの国境地域に位置するビェリィナ(Bijeljina)からズボルニク(Zvornik)、ミリチ(Milići)、ハン・ピイェサク(Han Pijesak)を経由し、ソコラツ(Sokolac)までを結ぶ約130kmの区間となっている。総工費は約25億兌換マルク(約13億ユーロ)であり、今後5年以内の完成が見込まれている。
RSの中心都市バニャ・ルカ(Banja Luka)での署名式に出席したビシュコビッチ(Radovan Višković)RS首相は、この高速道路の建設費について、近日中に欧州復興開発銀行(EBRD)との話し合いを行う予定であるとしたうえで、「仮にEBRDからの協力が得られなかった場合、CSIはコンセッション方式によってこの高速道路を建設することになる。」と述べた。ビシュコビッチ首相によれば、RS政府の財政余力が無いため、コンセッション方式にならない場合でも、向こう5年間の工費はCSIが負担し、RS政府はその後15年間の分割払いによってCSIに対し代金を支払う予定だとされている。
CSIはこれまでに、RSにおいてバニャ・ルカとプリェドル(Prijedor)を結ぶ高速道路案件をコンセッション方式によって受注しており、また、隣国セルビアでも高速道路建設に参入している。
ビシュコビッチ首相はまた、ソコラツからフォーチャ(Foca)を経由してボスニア南東部のトレビニエ(Trebinje)に至る区間についても、中国企業が受注することになるとの見通しを示した。
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