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コソヴォA火力発電所改修事業の入札に韓国・中国・トルコなどから5者が応札

7月17日、コソヴォ・エネルギー公社(Kosovo Energy Corporation, KEK)は、国内の電力供給の要であるコソヴォA火力発電所のA3ユニット改修工事に関する入札に、5つの企業および企業連合が応札したと発表した。推定予算1億3,700万ユーロ(約225億円)に上るこのプロジェクトは、50年以上稼働する老朽化した設備の寿命を20年延長し、国内の電力安定供給を確保するための重要な計画である。

コソヴォ政府プレスリリースによれば、ポーランド、トルコ、中国、韓国、そして地元コソヴォの企業など5者が応札した。具体的には次のとおり。

  • ポーランドのSBB Energy主導のコンソーシアム
  • トルコの複合企業リマック・ホールディング(Limak Holding)
  • 中国の再生可能エネルギー企業ゴールデン・コンコルド・グループ(Golden Concord Group Limited)
  • 韓国の国営エンジニアリング企業KPS(Kepco Plant Service & Engineering)主導のコンソーシアム
  • コソヴォの燃料小売業者HIBペトロル(HIB Petrol)がインドの国営電力会社NTPCなどと組んだコンソーシアム

今回の改修プロジェクトは、1970年から稼働するA3ユニットの寿命を20年延長するだけでなく、発電容量を現在の130メガワットから215メガワトに増強し、EUの環境基準に適合させることも目的としている。

老朽化が著しいコソヴォA発電所は、度々故障を繰り返すとともに大気汚染の原因になっていると指摘されており、その改修が急務となっている。2015年には米国企業CntourGlobalが10億ドルをかけたコソヴォAの新発電プラント建設に向けた了解覚書をコソヴォ政府と署名したが、同社は2020年にコソヴォ事業からの撤退を表明している。

KEKによれば、今後30日以内に技術的および財務的な評価が行われる予定である。しかし、今年1月に開始されたこの入札は、そのプロセスが難航していた。これまでに応札期限が6度にわたって延期されたほか、最近では特定の応札者からの「差別的な基準」があるとの不服申し立てにより、手続きが一時中断されていた。結果的にこの申し立ては調達審査機関によって退けられ、今回の応札へと至った経緯がある。

参考記事

(アイキャッチ画像は稼働中のコソヴォA火力発電所、出典:shutterstock)

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