
コソヴォ憲法裁が議会に対し30日以内の議長選出を要求
6月26日、コソヴォ憲法裁判所は、総選挙後に発足した新議会に対し、30日以内に議長を選出し、議会構成を完了するよう命じる判断を下した。これは、今年4月以来続く政治的膠着状態を打開し、新政府樹立への道を開くことを目的とした動きとみられる。
今回の憲法裁判所の判断は、野党であるコソヴォ民主連盟(Lidhja Demokratike e Kosovës, LDK)、コソヴォ民主党(Partia Demokratike e Kosovës, PDK)、コソヴォ未来同盟(Aleanca për Ardhmërinë e Kosovës, AAK)の議員による申し立てを受けて下された。憲法裁は、ヴィヨサ・オスマニ(Vjosa Osmani)大統領が3月27日に選挙結果を認証してから30日以内に議会が構成されなければならないとする憲法上の要件について、現状は違反していると認定した。
コソヴォでは今年2月9日に総選挙が実施されたが、アルビン・クルティ(Albin Kurti)首相が率いる与党「自己決定運動」(Levizja Vetëvendosje!, LVV)は、全120議席のうち47議席の獲得にとどまり、単独過半数には至らなかった。選挙後、議会は35回以上にわたり議長選出のための会合を開いたが、LVVが擁立した候補者であるアルブレナ・ハジウ(Albulena Haxhiu)氏は、選出に必要となる過半数の61票を獲得できずにいる。会合をボイコットしている野党議員らは、ハジウ氏が対立を助長する人物であり、党派を超えた対話を妨げる存在であると見なしている。
この憲法裁判所の判断が下された同日、クルティ首相は、膠着状態の打開に向けた合意形成を目指し、議会に議席を持つ全ての政党の党首に対し、6月28日に会合を持つことを正式に呼びかけた。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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