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コソヴォ、議会の機能不全続く-憲法裁判所が議長選出に新たな期限を設定

8月8日、コソヴォ憲法裁判所は、数ヶ月にわたり膠着状態にある議会に対し、議長の選出を促すための新たな判断を下した。議会を構成するためにさらに30日間の期限を与え、議長選出の手続きに関する新たな規則を定めた。

憲法裁判所決定によると、議長候補の指名は同一人物につき3回までと制限され、全ての議員は議場に出席し、公開投票で議長及び副議長を選出することが義務付けられた。また、最大会派である与党「自己決定運動(LVV)」所属で最年長議員として暫定議長を務めるデハリ(Avni Dehari)氏が、議長選出のための秘密投票委員会の設置を繰り返し呼びかけた行為は、6月26日に議会招集を命じた先の憲法裁判所判決に違反するとして違憲と判断された。

コソヴォでは、今年2月の総選挙で第一党となったLVVが政権維持を期して組閣を目指すものの、与党連合が議会の過半数を失ったことで議長選出が難航しており、4月15日の初会合以来、54回にわたり議会を成立させることができずにいる。LVVは一貫して同一候補を擁立し続けてきたが、過半数の支持を得られていない。議長が選出されない限り新政府は発足できず、現政権は限定的な権限での活動を余儀なくされている。

今回の新たな憲法裁判所の判断に対し、各党の反応は分かれた。LVV所属で財務大臣代行のムラティ(Hekuran Murati)氏は、SNS上で「これは正義ではない。人々の投票による付託を無視した恣意的な決定だ」と強く批判した。一方で、この問題を憲法裁判所に付託した野党コソヴォ民主連盟(LDK)のアブディジク(Lumir Abdixhiku)党首は、「我々の要求が完全に認められた。民主主義とコソヴォにとって大きな勝利だ」と述べ、判決を歓迎する意向を示した。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock AI generated)

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