テレコム・スルビヤ:2027年までに国内全都市を5Gネットワークでカバーする方針
10月8日、国営通信会社テレコム・スルビヤのルチッチ(Vladimir Lučić)CEOは、テレコム・スルビヤが、2027年までにセルビア国内全ての主要都市部を第5世代通信(5G)ネットワークでカバーするとの方針を表明した。ルチッチCEOは、この計画が、2027年に開催予定であるベオグラード万博に向けた重要な施策であるとした。テレコム・スルビヤは、傘下にセルビアの主要3大携帯電話オペレーター(MNO)の一つであるMTSを抱えている。
ルチッチCEOの発言は、公共放送RTS番組内のインタビューにおいて述べられたもので、それによれば、セルビア政府は2018年に5Gネットワーク開発戦略を採択しており、テレコム・スルビヤはその実施主体に選ばれている。ルチッチCEOは、「テレコム・スルビヤは、戦略的連携関係を結ぶパートナーであるボーダフォン社との協力の下で、2027年までにセルビア全土を5Gネットワークでカバーする事を目指す。既に一部の5G対応基地局は設置済であり、電波行政を所管するセルビア通信庁(RATEL)からの許可が得られ次第、ネットワークを稼働させる準備が整っている」と述べた。
ルチッチCEOは、この5Gネットワーク開発事業の資金調達に際しては、欧州復興開発銀行(EBRD)、米国輸出入銀行及びスウェーデン輸出信用公社からの協力を得ており、またテレコム・スルビヤの5G基地局は、エリクソン社(スウェーデン)及びノキア社(フィンランド)によって整備が行われていると明らかにした。
ルチッチCEOは、セルビア国内世論においては、5G通信がもたらす健康被害についての懸念の声が依然として根強いことを念頭に、「基地局が放出する電磁波は人体に有害な水準ではなく、現在、多くの人々が日常的に使用している携帯電話が放出する電波と同じものである」と述べた。
今年8月、セルビア政府は、5G通信割り当て用の周波数帯に関する電波オークションを2025年第4四半期に実施するとの方針を表明しており、セルビアにおける本格的な5G通信の商用利用拡大は2026年以降になると見られている。
西バルカン地域においては、既に北マケドニアとモンテネグロが5G通信の商用利用を開始しており、またアルバニアは今年9月に5G通信割り当て用周波数帯の電波オークションを公示している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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