
セルビア環境省、固形廃棄物収集車両の新規調達入札を開始
セルビア環境省は、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development、EBRD)の支援を受けたプロジェクトの一環として、廃棄物収集車両の新規調達入札を開始した。EBRDが2025年4月17日に発表した。
この車両調達は、カレニッチ(Kalenić)、ピロト(Pirot)、スレムスカ・ミトロヴィツァ(Sremska Mitrovica)の各地域の自治体向けに行われる。入札締切は5月15日に設定されている。
EBRDは、2月初旬を締切として昨年12月に開始された前回の同様の調達が取り消された理由については詳細を明らかにしていない。
この入札は、セルビア全土の6カ所における埋立地の改修と廃棄物管理システムを欧州連合(EU)基準に沿ったものへとアップグレードすることを目的とした、総額1億5,200万ユーロ(約1億7300万米ドル/約190億円)の大規模プロジェクトの一部である。残りの3カ所はソンボル(Sombor)、ノヴァ・ヴァロシュ(Nova Varoš)、ドゥボコ(Duboko)となっている。
EBRDによると、このプロジェクトはフランス開発庁(Agence Française de Développement、AFD)とEBRDによる50:50の比率での共同融資とされている。プロジェクト総額のうち、EBRDとAFDはそれぞれ100万ユーロの支援を提供する。
2024年12月、EBRDはセルビアの固形廃棄物管理プログラムの次のフェーズのために7,500万ユーロの融資契約をセルビア政府と締結した。このフェーズでは、NIDECやJFE商事などの日系企業が進出している北部の自治体インジヤ(Inđija)における廃棄物埋立地の建設が計画されている。
このプロジェクトは最終的には全国47の自治体をカバーし、156万人以上に廃棄物管理サービスを提供する予定とされており、EBRDとAFDによる総投資額は3億ユーロと見積もられている。
プロジェクトは持続可能な廃棄物管理慣行の導入を通じて資源効率を促進し、セルビアの7つの地域すべてにおいて年間約31万3,492トンの二酸化炭素いn相当する温室効果ガス排出削減に貢献すると期待されている。また、これまで廃棄物収集によって生計を立ててきた人々に対する生計回復支援も含まれている。
セルビアは欧州連合(EU)加盟候補国として、EU基準に適合した廃棄物管理システムの構築に取り組んでおり、このプロジェクトはその重要な一環となっている。
日本政府は、これまでに草の根・人間の安全保障無償資金協力等の枠組を通じて、多数の廃棄物収集車や廃棄物収集用コンテナをセルビア各地の自治体に対し供与していている。また伊藤忠商事は、セルビア初の廃棄物焼却プラントの建設・運営に参画している。
(アイキャッチ画像はベオグラード市内のゴミ収集車、出典:Shutterstock)
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