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JFE商事がセルビアに新工場を開設

4月8日、セルビア政府は、日系鉄鋼メーカー大手JFEホールディングス傘下JFE商事株式会社(本社:東京)のセルビア子会社であるJFE商事セルビア(JFE Shoji Serbia d.o.o. Indjija)が、セルビア北部の町インジヤ(Inđija)に電動モーター用金属部品製造工場を開設したと発表した。投資額は5,000万ユーロ(約5,500万米ドル)で、JFE商事としては欧州における初の投資事案となる。

セルビア政府プレスリリースによると、8日にインジヤ産業団地で開催された開所式には、マーリ(Siniša Mali)第一副首相兼財務相が出席した。マーリ副首相は「この投資は12ヶ月以内に完了し、当初70人の労働者を雇用する。来年には高度技術の専門訓練を経て、さらに200人の労働者を雇用する計画がある」と述べた。マーリ副首相はまた、「これはJFE商事の欧州初の投資であり、同社がセルビアへの投資を決定したことは、セルビアが世界的なトレンドに追いついていることを明確に示している」と強調した。

在セルビア日本大使館の今村明大使は「新工場がセルビアのさらなる経済発展に貢献することを確信している」と述べ、この投資がセルビアの好ましいビジネス環境の結果であると指摘した。今村大使は「JFE商事は自動車産業向けを含む鉄鋼製品の生産において重要な役割を果たしており、インジヤの工場が電気自動車のモーターも生産することに満足している」と述べた。

開所式にはメサロヴィッチ(Adrijana Mesarović)経済相、ゴイコヴィッチ(Maja Gojković)ヴォイヴォディナ自治州政府首相、ガシッチ(Marko Gašić)インジヤ市長も出席した。

JFE商事セルビアは2024年3月18日にインジヤの生産施設の起工式を行った。起工式にはヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領、モミロヴィッチ(Tomislav Momirović)国内外貿易相(当時)、インジヤのガク(Vladimir Gak)市長(当時)、今村駐セルビア大使らが出席し、JFE商事からは小林義嗣専務執行役員及び濱宇津正臣JFE商事セルビア社長が出席した。

参考記事

JFE商事の発表によれば、この新工場は10ヘクタールの敷地に建設され、自動車産業向けをはじめとした幅広い製品に使用されるモーターコアを生産する。従業員数は約100人を予定し、新工場の本格稼働は2025年7月を見込んでいる。

JFE商事は1954年に設立され、鉄鋼製品、鉄鋼原料の加工・販売を行っている。同社ウェブサイトによると、日本国内に20の事業所、海外に35事業所を有し、グループ全体で8,618人(2024年3月31日時点)を雇用している。同社は2023年6月にセルビア子会社として設立した。

JFE商事セルビア社長の濱宇津正臣氏は「欧州の成長市場における拠点としてセルビアに加工・販売拠点を設立し、サプライチェーン管理を構築していく。これにより、欧州におけるモーターコアの成長需要を取り込み、電磁鋼板の世界的な加工・流通における第一位のポジション実現に向けて事業を強化していく」と起工式において述べていた。

セルビアには既にJTI、ニデック、TOYO TIREといった日系企業が進出しているほか、伊藤忠商事はセルビア初となる廃棄物焼却プラント事業に対する投資を行っている。今回のインジヤ工場開設により、JFE商事もこれらのセルビア進出企業の一員に加わることになる。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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