モンテネグロ議会主要会派がレキッチ議員を新首相候補者とすることで合意
9月19日、民主戦線(Democratic Front)、「平和は我々の国(Peace is Our Nation)」、「黒と白(In Black and White)」のモンテネグロ議会(定数81)主要3会派は、「平和は我々の国」会派所属のレキッチ(Miodrag Lekić)議員を新首相候補者とすることで合意したと発表した。レキッチ議員はモンテネグロが新ユーゴ連邦から独立する以前の1992年にモンテネグロ外相を務めたほか、2013年の大統領選挙の際には、当時の野党統一候補として出馬し、当選したブヤノビッチ(Filip Vujanović)大統領との間で接戦を繰り広げた。
モンテネグロでは、独立以来30年近くに及ぶ長期政権を維持してきた社会主義者民主党(DPS)が2020年12月に行われた議会選挙で敗れ、DPSに勝利した当時の野党連合が初の非DPS政権となる連立政権を樹立した。しかし、セルビア正教会との関係等の重要課題を巡る意見の不一致から次第に連立与党内での軋轢が深刻化し、結果的に内閣不信任案の可決によって政権が崩壊する、という事態が二度に渡って繰り返されてきた。
今年8月19日には、アバゾビッチ(Dritan Abazović)首相がセルビア正教会との基本合意文書に署名したことに反発したDPS等が内閣不信任案を提出し、これが可決されたことで、30日以内に議会過半数の支持を得た首相候補者が指名されるか、もしくは総選挙実施が必要となっていた。
レキッチ議員の指名に関する3会派合意を大統領に報告する書簡(民主戦線公式Instagramより)
(アイキャッチ画像出典:モンテネグロ議会ウェブサイト)
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