
セルビア大統領、2025年末までの最低賃金・年金の大幅引き上げ意向を表明
5月21日、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、2025年末までに最低賃金と年金の両方を引き上げる計画であることを明らかにした。この発言は、与党セルビア進歩党(Serbian Progressive Party, SNS)が公開したビデオの中で述べられた。
ヴチッチ大統領は最低賃金の引き上げについて、「現在457ユーロである最低賃金を500ユーロ、そして550ユーロへと引き上げる考えを提唱した」と語った。この引き上げに伴う企業の負担増については、給与の非課税枠の拡大、あるいは税・社会保険料の引き下げを通じて、政府がその大部分を負担する方針を示した。この提案が実現すれば、2026年12月の平均月額純賃金は少なくとも1,147ユーロに、2027年末までには1,400ユーロに達するとの見通しも示された。
また年金についても、2025年末までに「大幅な引き上げ」を行うと言明した。ヴチッチ大統領は「年金の伸びが給与の伸びに追いついていなかったため、我々は(年金受給者に)報いる義務がある」と述べ、引き上げの必要性を強調したが、具体的な引き上げ幅については詳細を明らかにしなかった。
セルビアでは、2025年1月1日から最低月額純賃金が前年比13.7%増の53,592ディナールに改定されている。また、国家年金は2024年中に1月(14.8%増)と12月(11%増)の2度にわたって引き上げられた。直近の公式データによると、2025年2月時点の平均月額純賃金は103,519ディナール、同年3月時点の平均年金額は50,686ディナールであり、年金受給者数は約165万人に上る。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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