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ロシア対外情報庁がセルビアの対ウクライナ武器輸出を強く非難

5月29日、ロシア対外情報庁(SVR)は、伝統的な同盟国であるセルビアに対し、中立を表明しているにもかかわらず第三国を経由してウクライナに弾薬を供給しているとして、これはロシアを「背後から刺す」行為だと厳しく非難した。

SVRはプレスリリースの中で、「セルビアの軍事企業は、セルビア当局が宣言した『中立』に反し、キーウ(Kyiv)への弾薬供給を続けている」と断じた。SVRは、セルビアがチェコ共和国、ポーランド、ブルガリア、そして最近ではアフリカ諸国を通じて、多連装ロケットシステムや榴弾砲用の砲弾数十万発、小火器用の弾薬100万発をウクライナに供給したと主張し、関与した企業としてユーゴインポート-SDPR(Yugoimport-SDPR)社、クルシク(Krušik)社、スロボダ(Sloboda)社、プルヴィ・パルティザン(Prvi Partizan)社などの名を挙げた。SVRは、「偽の最終使用者証明書と仲介国を利用した単純なスキームが、反ロシア活動の隠れ蓑となっている」と述べ、「兄弟であるスラブ民族の血で利益を得ようとするセルビアの防衛関係者とその支援者の欲望は、真の友と敵が誰であるかを完全に忘れさせたようだ」と、歴史的にロシアがセルビアを支援してきた経緯に触れながら痛烈に批判した。

この非難に対し、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は29日夜、セルビア国営放送(RTS)のインタビューで、この問題についてロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と協議し、事実を究明するための合同作業部会を設置したことを明らかにした。

出典:RTS

フィナンシャル・タイムズ紙は2024年6月、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、第三者を経由して最終的にウクライナに渡ったセルビアの弾薬輸出額が約8億ユーロに上ると報じていた。当時、ヴチッチ大統領は同紙に対し、「これは我々の経済復興の一部であり、重要だ。我々は弾薬を輸出している。ウクライナやロシアには輸出できないが、アメリカ、スペイン、チェコなどと多くの契約を結んでいる。彼らが最終的にそれで何をするかは彼らの仕事だ」と述べていた。

セルビアはロシアによるウクライナ侵攻を非難しているが、伝統的な友好国であるロシアに対して制裁は科していない。2012年から欧州連合(EU)の加盟候補国であるセルビアは、最近のヴチッチ大統領による戦勝記念日パレードへの出席のためのモスクワ訪問など、ロシアとのハイレベルな関係を維持していることでEU当局から批判されている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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